ちゃんと立つことってこんなに難しい!?「構造動作トレーニング」で正しい身体操作を学ぶ|ダンスタイムvol.7(講談社)

今まで正しいと思っていたトレーニングやパフォーマンスなどの身体操作。だが、優れたアスリートでも以外に誤った身体操作だったりすることが多いそうだ。正しい身体操作を知れば調子の波がなくなり、より優れたパフォーマンスを発揮することができる。今回、銀河&愛子が挑戦するのは、中村考宏氏が提唱する「構造動作トレーニング」。

 

深部感覚

ポジションと前身がポイント

「運動とはどういうことだと思う?」開口一番、銀河&愛子問う中村考宏氏、「え〜っ何だろう?そんなこと考えたことなかった」アスリートである2人にとって、運動はあまりにも日常的なことであるため、根源的な問いに頭を抱えてしまう。正解は、身体の重心位置を動かすこと。と言われても、いまいちピンとこない2人。だが、この身体の重心位置の移動こそが中村氏が提唱する「構造動作理論」の肝となるもの。構造動作に2つのポイントがあり、それは身体の各部位の「ポジション」と「前進」すること。正しい重心移動が必要であり、そして正しい重心移動には正しい構えが必要である、ということだ。まず、2人を立たせた中村氏だが、2人の重心をかける位置を見て、「全然なってない」とダメだし。立つだけで全否定された格好の2人だが、中村氏によれば正しく立つためには脚、骨盤、胸の3つの部位を正しく連動させることが必要なのだと説く。というわけで、まずは脚の動きから学んでいった。

 

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「骨盤おこし」って何なの?

続いては骨盤、中村氏は愛子に股割りを指示。いつものストレッチの要領で楽々と股割りをこなす愛子。しかし「全然ダメ」とまたまたダメ出し。何がダメなのか。中村氏によれば、愛子の股割りには単に筋を伸ばしているだけで、それではただの股裂きなのだという。本当に大事なのは股関節の可動域を広げることだそう。「じゃあ、今までやってきたストレッチは意味がなかったんですか?」と愛子。「そういうことだね」とにべもない中村氏。そこで、再び中村氏から2人へ質問。「股関節はどこにある?」「え〜っと、股のつけ根かなあ」とコマネチのポーズをする銀河。しかし、またしてもはずれ。正しくはお尻の太ももに近い部分。この股関節をちゃんと意識していないために、多くの人は骨盤が後傾しているのだという。骨盤とは身体の土台となる部分。土台が傾いていては骨格を組み立て、効率よく動く事が出来ない。正しい姿勢で立つということは、骨盤をしっかり起こすということに他ならない。構造動作では「骨盤おこし」と呼ばれ、重要なトレーニングの一つとなっている。

 

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胸から腕を動かすのが正しい姿勢

中村氏から2人へ最後の質問。「腕のつけ根はどこですか?」「そりゃ、肩甲骨に決まっているじゃないですか!」と左手で右肩を押さえ、右腕をグルグル回す銀河。しかし、中村氏が指差したのは、銀河の胸元。そこは胸鎖関節と呼ばれる部分である。「そこは腕とは関係ないんじゃ・・?」と怪訝な表情の2人。しかし腕は肩から動かすのではなく、胸鎖関節から動かすのが骨格構造に即した正しい姿勢。胸を出すようにして上腕骨の位置に気を付けるのが、胸鎖関節から腕を動かすコツ。もちろん、立つときもこの姿勢をキープする。「脚、骨盤、胸のそれぞれに気をつけながら立つということですか。難しいですね」(愛子)「もちろん今日教えただけで、すぐに正しい立ち方なんてできないよ」と中村氏。ただ、立つだけなのに、人間の身体って奥深いんですね。

 

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大森山王ダンスステューディオダンスジャルダンにて
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