「骨盤おこし」ってナンダ?ジュニアサッカーを応援しよう! (カンゼン)

ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.24春号「骨盤おこし」ってナンダ? (カンゼン)

骨盤をおこすとはどういう意味?

 ジュニア世代の子供たちは、サッカーの技術や知識を学びながら、その土台となる体づくりに励むことも必要だ。『「骨盤おこし」で身体が目覚める』の著者であり、「えにし治療院」院長の中村考宏先生は「骨盤をおこす」ことで日本人が本来もっている身体の力を呼び起こすことができる」と話す。「骨盤をおこす」とは、いったいどういうことなのだろうか。その前に「骨盤のポジション」について正しく理解しておこう。
 中村先生によれば、骨盤には「骨盤立位」「骨盤後傾」「骨盤前傾」という3つのポジションがあるという。それぞれのポジションを理解するためにポイントとなるのが「坐骨結節」の位置だ。椅子に座っている時にお尻の下に手を入れてみよう。その際、骨の尖ったカ所に触れることができる。それが「坐骨結節」だ。「よくデスクワークをしている方の中で「座っていると骨が痛い」などと訴える人がいます。それは、座面に対して、坐骨結節が垂直に立っている状態だからです。これは三つの骨格ポジションでいう「骨盤後傾」と言う状態なのです。が、そのままだと、慢性的なケガに悩まされたり、身体に様々な問題が生じます。だから、骨盤の基準ポジションである「骨盤立位」という状態にすることが重要です」黒人のスポーツ選手を思い浮かべてみよう。胸が前方にでて、お尻がプリッと後ろに突き出ている姿を想像できるだろうか。あれがまさに、骨盤の基準ポジションである「骨盤立位」の状態だ。実は、日本人も生まれた時は「骨盤立位」の状態なのだそうだ。しかし、赤ちゃんがよちよち歩きを始めて、さらに少しずつ筋力がついてくると、子供は大人の姿会を見ながら日常生活に順応するための姿勢を自然と身に付けてしまう。日本人の場合、この姿勢が往々にして悪い骨盤のポジションである「骨盤後傾」の状態になっているケースが多い。

骨盤後傾から骨盤立位へ これが「骨盤おこし」


 「骨盤後傾」の状態だと、股関節の上に上半身が完全に乗ってしまっています。これでは、股関節を動かそうとする際に、上半身が重みとなって、脚の回転にブレーキをかけてしまう。つまり、股関節の動きを完全に制限してしまう骨盤のポジションなのです。自ずとその個所には負荷がかかります。日本人のスポーツ選手はこの状態でありながら、大腿四頭筋や内転筋といった筋肉を鍛えて走力を上げるケースが多いため、脚が太くなってしまう。筋力にたよらないといけないからケガも多くなる。子供の場合成長痛などにつながる可能性があります」この「骨盤後傾」の状態は、日頃の意識を少し変えるだけで、骨盤の基準ポジションである「骨盤立位」の状態にすることが、骨盤をおこす、ということなのだ。
 「椅子に座った状態で、お尻の下に手を入れて下さい。その時、とがった骨の部分を確認することができますか?それが坐骨結節という骨の箇所です。イスに深く寄りかかるように腰かけると、とがった骨は真下を向きます。この状態が「骨盤後傾」。そとから上半身を前へ傾けていきます。すると同時に坐骨結節が後ろにいくのが分かりますか?そうやって重心が前へ移動した時が骨盤の基準ポジションである「骨盤立位」という状態なのです。
 さらに前傾すると「骨盤前傾」という状態。少なくとも「立位」以上に骨盤が前傾することで、始めて股関節は正しく動き始めます。姿勢を正そうと背中だけを真っ直ぐにしてもあまり意味がない。それは「骨盤後傾」の状態のまま、ただ単に背筋に力を入れているだけだ。その姿勢を維持するのは疲れるし、長続きもしないだろう。「椅子に座る場合でいえば、お尻で座る面積を広くとらないで、太ももの裏で座るようなイメージを持つといいでしょう。同時にハムストリングも効果的に鍛えられるメリットもあります」多くの人が慣れていないため、この体勢をとると、最初は「これで大丈夫なのだろうか」と思うかもしれない。しかし、例えば、毎日のご飯を食べるときや学校の授業をうけるときなど、この正しい姿勢を意識していくことで、身体に徐々に取りこまれていくはずだ。

骨盤をおこして小指で地面に接地する

 骨盤をおこして重心を前にした時に、同時に意識してほしい重要なポイントがある。「足の小指でしっかりと地面に接地する(フラット接地)ということ。小指の頭で地面を感じることが大切です」どうして小指が重要なのか。それは踵の骨と関係がある。かかとの骨にはかなりの体重がかかるが、この踵の骨には、足の薬指と小指の二本しかつながっていない。足の骨でしっかりと体重を支えようとするならば、この薬指と小指、特に足の一番外側の小指はしっかりと接地することが重要だ。踵、小指、そして親指の三点に均等に体重がかかると、足には綺麗なアーチ構造が保たれる。「小指でしっかり接地している状態ができると、足のつけ根までまっすぐと骨格を形成することになり、股関節がスムーズに可動するようになります。このとき、自然と重心も前へ移動するので、骨盤の基準ポイントである「骨盤立位」の状態になります」 小指で接地をせず、浮いたままの状態で、親指側に体重がかかってしまっていると、足のアーチ構造が崩れて、足から脚のつけ根までが傾いてしまう。「そうすると、アキレス腱につながるふくらはぎの筋肉などで体重を支えなければいけなくなります。余計な筋肉を使うし、股関節にはブレーキがかかった状態なので、それでスポーツをやればさまざまな箇所に負担がかかってケガも多くなります。また、親指側に体重がかかっていると膝が内側に入ってしまい、内側靭帯や、半月板損傷につながるケースもあります」中村先生は「変に筋力トレーニングをして身体のバランスを崩すくらいなら、些細なことかもしれないが、小指で接地する習慣をつけて、しっかり骨格をつくることを意識した方がいい」という。
 小指で接地できるようになるための効果的なトレーニング方法を紹介しよう。一つ目は、足をゲンコツの形に握りこむ、というもの。「足をグーの状態にして、しっかりと小指を握りこみます。実は小指と股関節は非常に連動していて、小指が動けば股関節も動くというほど。でも、小指をしっかり握りこむことができる人は非常に少ない。その力の入れ方すらわからないという子供はたくさんいるので、足を握りこむ動きを習慣づけることは大切です。二人一組でペアを組んで引き剥がされた方が負け、というゲーム感覚でやってみてはどうでしょうか
 次に、タオルを使った小指のトレーニング。「足でタオルを掴むときに親指でつかむのは簡単ですが、親指ではなく、小指で引っかけて落とす、ということを繰り返します。出来るだけ小指を意識して使います」もう一つは小指で接地することと、骨盤の基準ポジションである「骨盤立位」の状態を意識した、ボールを使った壁のトレーニングだ。「壁とみぞおちのあいだにボールを挟んで、壁に寄りかかる重心を前に持っていき、胸の前でボールを上下に転がします。このとき、身体を支える両足は、小指で接地することを意識します

メッシもマラドーナも重心は前

 先日、3年連続でFIFA最優秀選手賞を受賞したリオネル・メッシ彼のプレーを見た時、中村先生は「メッシはマラドーナに似ている」と感じたという。「重心の位置がマラドーナに似ているなぁと感じました。メッシは他の選手に比べると重心が非常に前なんです。ただし、マラドーナはもっと前ですね。彼は前に倒れて、転がっていくようなドリブルをする。重心の位置がかなり前にあるからです。あのマラドーナのような、ころんころんの同体で前に倒れていくと、それだけですごい力になりますから、常に前へ追っかけていくような位置に重心があると、股関節も爆発的に回転します」スポーツ選手には身体が硬い人が多いというが、骨盤の基準ポジションである「骨盤立位」の状態であれば重心は前に行き、股関節はフリーの状態となって淀みなく回転する。つまり、瞬間的なスピードを可能にするのだ。「運動とは、どんどん重心を前に移動させていくことなんですよ。メッシも、マラドーナも、揉まれる中で、生き残るための術を自然と身に付けてきたはずです。大切なのは、前へ、前へという重心の位置ではないでしょうか。それは気持ちの面にもポジティブな効果を生み出すと思いますよ」

骨盤おこしで身体が目覚める(春秋社)

深部感覚

「人は自分で自分の身体にブレーキをかけている。そのブレーキを解除し、骨盤を立て(骨盤をおこし)主要な部位を適切なポジションに導くことで驚くほどスムースで柔らかく動く身体を手に入れることができる」という理論(構造動作理論)について、本書では、実際に家庭でできるトレーニング法(腰割り・胸割り・股割り)を説明しながら、身体の使い方・正しい姿勢について解説する。

「骨盤おこし」で身体が目覚める 1日3分、驚異の「割り」メソッド(春秋社)

 

 

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股割り MATAWARI
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