足関節底屈(鎌足・バナナ足)の治し方
鎌足とは
鎌足とは足首をまっすぐに伸ばすことができず、親指側に捻じれた醜い足のこと。
最近ではバナな足ともいう。
足首をまっすぐに伸ばすというのは、長母趾屈筋、後脛骨筋、長趾伸筋、下腿三頭筋などの骨格筋の作用により足関節を底屈すること。
しかし、鎌足・バナナ足というのは、前脛骨筋・長母趾伸筋、長母趾屈筋、下腿三頭筋などが主になり下腿の深層筋の作用が不足している。
バレエ教師に鎌足・バナナ足を指摘されるが、改善の糸口がみえず困っている方が多い。
指摘を受けて意識で改善できるレベルというのは、骨格筋の収縮率、足関節の運動方向、足の深部感覚、足骨のアライメントなどが、それを満たしている場合。
指摘を受けて意識で改善できないレベルというのは、そもそもの足の機能がそれに満たない場合。
改善の糸口が見つからない場合は、自身の足の機能状態を明確にすることが先決。
意識で改善できるレベルなのか、そうではないのか?
よほど高い意識の持ち主ならば、見た目の醜さを消すことはできるかもしれないが、それでも足の機能レベルそのものは対して上がらないから怪我などトラブルに見舞われる可能性が高い。
鎌足・バナナ足のリハビリ・トレーニング
足のリハビリ・トレーニングは、
- 足根骨-下腿骨−大腿骨のアライメントを整える
- 足関節−膝関節-股関節の運動方向を揃える
- 足関節の底屈、背屈に作用すべき骨格筋をしっかり収縮させる
滑らかな重心移動を獲得することが目的。
- 脚のアライメントを整えるのには、深部感覚の入力と正しいポジションの意識が欠かせない。
- 脚の運動方向を揃えるのには、深部感覚の入力と正しい関節運動の意識が欠かせない。
- 脚の筋力を回復するのには、起始停止部を整え骨格筋の収縮率を高めることが必要。
それらを踏まえ、全体をコーディネートする意識をもって基本動作を重ねることで足の機能を備えた美しい脚になる。
長母趾屈筋、後脛骨筋、長趾屈筋
まっすぐな足関節底屈ができず鎌足・バナナ足になる方は、ふくらはぎの深層筋を上手く収縮させることができない。ふくらはぎの深層筋には、下腿後面の長母趾屈筋、後脛骨筋、長趾屈筋がある。
下腿三頭筋(腓腹筋、ひらめ筋)をめくると長母趾屈筋、後脛骨筋、長趾屈筋を確認できる。
▲骨格筋の形と触察法(大峰閣) 著:河上敬介、磯貝薫
長母趾屈筋、後脛骨筋、長趾屈筋は脛骨の内果付近を走行する。
▲骨格筋の形と触察法(大峰閣) 著:河上敬介、磯貝薫
長母趾屈筋、後脛骨筋、長趾屈筋は、足底の趾骨・足根骨に付着する。
▲日本人体解剖学第一巻(南山堂)著 金子丑之助
足の末端から股関節を連動させる
鎌足・バナナ足になってしまう方は、母趾の筋肉が優位にあり外反母趾など足のアーチ構造が崩れている傾向にある。長母趾屈筋、後脛骨筋、長趾屈筋の収縮率を高めることが大切である。
さらに前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋、長腓骨筋、第三腓骨筋、膝窩筋など、それぞれの収縮率を上げて、足を繊細にコントロールできるようにリハビリ・トレーニングを進める。
▲牧神の蹄トレーニング
仕上げは、足指末端から股関節を連動させること。この足関節を底屈するということは、クラシックバレエに限らず、動きを扱う方にとって重要な運動方向なのだ。きちんと足の末端をコントロールできるようにして運動の質を高めたい。
また、脚の故障でパフォーマンスが停滞している方も足の末端の機能を修復してリハビリに臨みたい。
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