膝関節疾患

膝関節疾患(オスグットシュラッテル氏病、ジャンパーズニー、シンディング・ラーセン・ヨハンソン病など)

膝関節の症状

膝が痛い、膝に水がたまって動かせない、靱帯が断裂してグラグラ、膝が崩れるなど、膝周辺に感じる症状は様々です。

膝の病名には、オスグットシュラッテル氏病、ジャンパーズニー、シンディング・ラーセン・ヨハンソン病、棚障害、膝半月板損傷、膝靱帯損傷、不幸の三兆候、膝伸展機構の断裂(肉離れ)、変形性膝関節症などがあります。

膝関節は構造上、大きな屈伸運動と安定性を要求される関節で、このため強靭な靱帯と強力な筋群がこれを助けています。解剖学的には蝶番関節とされていますが、膝の屈曲、伸展に伴いわずかな回旋運動を伴います。屈曲するにつれ、脛骨は大腿骨に対して内旋し、屈曲位から伸展すると脛骨は外旋します。完全伸展位に近づくとこの回旋運動は大きくなります(終末強制回旋)。

膝の運動に協力する筋肉は、

伸展:大腿四頭筋、大腿筋膜張筋

 

屈曲:半膜様筋、半腱様筋、大腿二頭筋、薄筋、縫工筋、膝窩筋、腓腹筋

 

内旋:半膜様筋、半腱様筋、薄筋、縫工筋、膝窩筋

 

外旋:大腿二頭筋、大腿筋膜張筋

など多くの筋肉が協力しあいます。

なぜ、これほど頑丈な膝が壊れてしまうのでしょうか?

膝関節疾患はランニング・ジャンプなどのスポーツ動作の衝撃により発症します。しかし、怪我をする選手と怪我と無縁の選手がいます。

何が違うのでしょうか?

スポーツ競技では「膝をやわらかく使う」ということをいいます。まさしく、この膝の使い方ができれば膝関節疾患の発症頻度は確実に減少するでしょう。しかし、怪我をする選手というのは膝をやわらかく使うための膝関節の機能状況にありません。そのためスポーツ動作における衝撃を体に蓄積し続けているのです。

自分の膝関節の状態を把握すること。

  1. 大腿骨、下腿骨、足根骨のアライメントが整っているか?
  2. 膝関節の運動方向に間違いがないか?
  3. 大腿四頭筋、内転筋群、ハムストリングスの適切な収縮ができるか?
  4. 足関節、膝関節、股関節をスムーズに連動できるか?
  5. 衝撃を和らげるための着地ができるか?

1〜5をチェックし、できないことがあれば修正、リハビリトレーニングで機能アップが必要です。

≪骨端症≫

一般に成長痛といわれる子供さんの節々の痛みには「骨端症」といわれるものがあります。特にスポーツで激しく運動する場合に多く見られます。ジャンパー膝と呼ばれるものにオスグット病やシンディング・ラーセン・ヨハンソン病などの骨端症が含まれる場合があります。また、アキレス腱炎や足底腱膜炎のような症状を呈するセーバー病など様々な骨端症があります。

・オスグッド・シュラッター病(Osgood-Schlatter病)」:脛骨粗面の骨端炎
・シンディング・ラーセン・ヨハンソン(Sinding-Larsen- Johansson)病:膝蓋骨下端の膝蓋靭帯の付着部付近の骨端炎
・セーバー病(Sever’s−disease):踵骨骨端炎(かかと)

【一般的な治療方法】
安静(スポーツ禁止)、ストレッチ(大腿四頭筋、下腿三頭筋)、固定装具、アイシング(冷却)など

【鑑別診断】
骨端症には疲労骨折、無腐性骨壊死などの病態があります。安易に成長痛だと放置しないで医師の診察を受けることも大切です。(パナー病、ケーラー病、ペルテス病など)

 

 

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