骨盤がもっとも機能を発揮する力学的構造と運動軸
深部感覚(固有感覚)を高めるためのアプローチでは、入力(手ごたえ:触圧覚、重量覚、抵抗覚etc)−統合−出力(身体が軽くなるetcプラス変化の確認)の手順を重ねることで感覚を厚く、濃くしていく。
手ごたえは、物体の硬さ、粘さ、弾性、変形性および可塑性等の内部的属性を知る感覚。骨の強度や安定性を感知する感度を高めることで深部感覚(固有感覚)のアプローチがすすめやすくなる。
深部感覚(固有感覚)リハビリトレーニングでは、解剖学的肢位の基準を用いない。機能的肢位という骨格構造における強度と安定を備えた肢位を基準として採用している。
骨盤の力学的なアーチ構造
▲骨梁の図出典「基礎運動学 中村隆一」、出典:Grant’s METHOD of ANATOMY
大腿骨は長軸方向に圧縮の力がかかり強度と安定を備えた位置で手ごたえを得る。骨盤は左右股関節からアーチ構造を備えた位置で手ごたえを得る。この骨盤位置は、「骨盤おこし」の骨盤立位ポジションになる。骨盤後傾ポジションではアーチ構造を失い力学的に弱く不安定になる。
骨盤の運動軸
▲ 出典:Grant’s METHOD of ANATOMY
骨盤の運動軸は「第2仙椎」において仙腸関節、靭帯装置など機能を十分に発揮する。ただし、解剖学的肢位を基準「上前腸骨棘−恥骨」が垂直位置では骨盤が後傾して運動軸を「第2仙椎」におくことができない。
骨盤の強度と安定
▲イラスト:中村考宏
骨格を強度と安定を備えた位置で深部感覚(固有感覚)を高めることにより、余分な筋肉の作用が減るために身体が軽く感じられる。また、骨格筋の起始停止部が整い筋肉の収縮率を上げるリハビリトレーニングがすすめやすい。
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