股割りチャレンジ|第六回骨盤おこし東京セミナー〜第11回の骨盤おこしセミナー 2009年7月9日(13〜18)

13.第六回骨盤おこし東京セミナー

2009年1月24日、25日と第六回骨盤おこし東京セミナーが開催された。早くも二週間がすぎてしまった。いろいろ書きたいことはある。ただ世話人の仕事というのは、セミナーの時間中も何やかやあって、セミナーのレポートが書けるような関わり方ができない。ましてや時間が経ってしまって(これは自分の責任)、ますます順番があやふやになる。ということで、セミナー以外でTakahiroさんと話したことなども混ぜこぜにしながら、感想を述べたい(これはいつもそうですね)。

坐骨結節

いまさらこんなこと書くのはどうかと思うが、今回、正座で骨盤がおきたポジションの動指導のとき、Takahiroさんがその人お尻をちょいと触る意味がはじめてわかった。骨盤後傾の人は骨盤がおきたポジションにすると、おしりが浮いてしまうぐらいになるのだが、その浮きを確かめているのかと思っていた。
しかしあれって坐骨結節の方向を確かめていたのだった。これは骨盤おこしの基本、初歩の初歩なのに、ちっとも気付かなかった。すこし説明する。
正座(あるいはイスに座る)でいつものように座ると、多くの人は坐骨結節が下に向いた骨盤のポジションになる。お尻の下に手を入れてみると、左右にとんがった骨がグリグリと当る。それが坐骨結節で、坐骨ではないから本来座る位置ではない。では坐骨で座るためには、骨盤をもっと前傾させていく必要がある。そのため「骨盤がおきた」ポジションにすると坐骨結節は後方を向くのである。まず坐骨結節を探り当てれば、これがもっともわかりやすいだろう。

スポーツマン

いつもTakahiroさんが言うこと。スポーツできる人は、腰(腰椎)で動き過ぎる。腰に負担を書け過ぎる。武道をやっている人にも同様の傾向がある。
「股関節が大事」だと言うわりには、股関節から動いていない。これは何故かなあ。運動神経が良くて、腰で間に合わせられてしまうからだろうか。ただ、疲労は溜まるはずだ。股関節の運動量や運動領域に比べたら、腰椎で代理できることは高が知れているだろう。以前Takahiroさんが言っていたっけ。「腰と首の動きに、股関節と胸の動きを足してやるのが骨盤おこしトレーニング」だと。

股割り

今回は股割りの希望者が多かった気がする。まず座って足を開く。この時点で骨盤が立って来ないときつい。それでも無理に前屈しないで、あくまでも「股関節を中心にで骨盤を動かす」ためのトレーニングだと心得れば、意味があるだろう。足の開き具合も、自分が開ける角度でいい。今回はすごく固い人が挑戦して、長座での前屈と股割りの間ぐらいでやっていて、「あれでもいいんだ」と勇気づけられた。で、開脚したらまず足先を伸展。そこで足先を背屈(足を反らす)。すると膝が曲がる。曲がってオーケーなので、そのまま足指をギュッと握る。特に小指をしっかり。足先の背屈と握りと膝の曲がりの姿勢が動かないように、かかとでしっかり床を押す。そこから腕を力こぶを前に向けた構えから、手を小指を握って掌を押し出すように前に伸ばしていく。このとき前にイスとか何か押せる荷物とかを置いて、それを前にグッと押し出していくようにするといい。ともかく床に向かって折り畳むような動作はダメ。ともかく前へ、前へ。このとき最初の脚の形をキープしなくてはいけないのだが、前屈するにしたがってどうしてもつま先が前を向いてきてしまう人が多い。そうなると骨盤が前屈する方向に股関節も動いていることになって、当初の「股関節を固定して骨盤を前傾」という股関節トレーニングの意味がなくなってしまう。もし足の形が崩れてしまったら、その時点でもう一度背屈して指を握り直す。でもそれがキツイ!前屈は胸を前に出すように、顔も上方を見るようにしながら、「前」へ出していく。このとき腹圧をかけてお腹をふくらませる。実際前屈で丸くなっていた背骨が、腹圧をかけるたびに伸びていくのがわかる。腹圧ってほんとうに大事だ。この動作で、股関節を中心に骨盤を前傾させる。これが股割り。足裏の筋を伸ばして前屈しようとするのはただの「股裂き」。「股割り」とは違うのだそうな。それでも腿の付け根とか痛いのである。「力を入れるから痛いのだ」とか言われても、痛い(笑)。意志の力ではどうにもならない。痛くない方向を探すのもトレーニングのひとつのようだ。とは言っても、股割りはすごく大変だとも言っていた。これをやっていれば、他のトレーニングがすごく楽に感じられるようになる、とのこと。やっぱり何ごとも簡単にはいかないのだなあ。Takahiroさんは股割りでからだを整えるのだそうだ。人それぞれに、たとえば四股立ちとか立位体前屈(骨盤おこし流)とか、ひとつ自分が整えられるものを見つけるといい、とのこと。
わたしの場合はなんだろうと考える。イスにまたがって四股座りをし、足指を握っての前屈がそうかもしれない。きっとそれも変化していくのだろうと思う。

お尻の鍛え方

正座で骨盤おこしの運動をする。顔と胸を前に出すようにして股関節から胴体を前屈するわけだが、顔と胸は前というより、ジェット機が離陸していくような感じに上前方に出していく。そうするとお尻が浮いて、そのまま一歩出せば立ち上がれてしまう。この運動の方向性で、腰が浮いた時点で止まる。つまり腰が浮いて、しかし膝立ちになる前の姿勢。Takahiroさんは、この姿勢でご飯食べたり、書物したり、パソコン打ったりしろという。これによってお尻に力が入るようになる。つまり股関節を十分に働かせるための鍛練ということだろう。しかしこの姿勢でじっとしていると、ただ鍛えるというだけでないからだのまとまり感が出てくるようだ。正座でする站椿(タントウ)の如し。

女性の骨盤を観ることの難しさ

これはすごく細かいことなのだが、女性だといわゆる「出っ尻(でっちり)」なのに、骨盤は後傾している人がいるということを知った。以前の日記で「出っ尻と骨盤がおきているのとは違う」ということを、自分で書いたと思うが、実際に見分けるのはなかなか難しそうだ。今回のセミナーで、立ち姿を見て「比較的骨盤がおきている」と感じた人がいたが、Takahiroさんは何のためらいもなく「いま骨盤がこのくらい後傾している」と骨盤の図を示して言ったシーンが何度かあった。きっとヒップばかり見ていてはいけないのである。挫骨結節の位置を確かめればいいわけだが、全体を見ることで判断ができるのだろう。このことははじめ骨盤の傾斜ばかりに注目して、股関節の動きに目がいかなかったことと同じで、どうも肝心なところを見逃しているようなのである。精進あるのみ。

背屈で歩く

足を背屈させる、これが今回の「裏テーマ」だったように思う。「裏」とか言っても、別に秘密裏に行われたわけではなく、セミナーの始まる前や、セミナー後に集中的にそういう話題になったということで、セミナーでも背屈については触れている。背屈は足先を持ち上げる動きである。たとえば立った状態で、両足先を持ち上げてみよう。カカトで立つようにすれば両足先を持ち上げることができるだろう。しかしこの立ち方は、お尻を引いて後ろ重心になっている。というより後ろに重心を置かないと足先は上がらない。次に足指の付け根から指先あたりに体重が乗るように、からだを少し前傾させる。このとき足指は軽く握るようにして、指の頭で地面を押さえるような感じにする。これは「そういう方向性に指を使う」ということであって、実際に指の頭が地面に接するまで指を曲げる、ということではない。さて、この重みがかかる箇所が変わらないよう前傾したまま、足先を上げてみるとどうなるだろうか。足先が上がる代わりに、からだが前に倒れるだろう。倒れそうなのを指先で耐えているのに、その指先を上げるのだから当然である。この働きを使って歩くのが「骨盤おこし」式の歩きである。高下駄の前の歯だけで歩くようにするトレーニングも、足の背屈と重心を足指の付け根(MP関節)に乗せることを覚えるためのものだ。背屈による歩法は、足で歩くというより足先に引かれるようにからだが前に乗り出していく。その重心が移って行く先に次の足を置き、その足を背屈させることで次の一歩を踏み出す(当然指先は軽く握る)。こうすると後ろにある足で地面を蹴ったり、前に振り出した足のカカトで地面を押さえて動きにブレーキをかけたりせずに、ぐんぐん歩いていくことができるようだ。Takahiroさんは以前、指を握って足裏にアーチを作る背屈の歩きをすると、「足裏の垂直離陸」歩行になるのではないか、と言ったことがある。またセミナーで足指を握って行う「股割り」を経験したきたろうさんが、この足で歩けば「足裏の垂直離陸」歩きになるのではないか、と言ったことがあった。わたしが試してみたところ、「背屈歩き」は「足裏の垂直離陸歩き」と同じではない。その違いは「垂直離陸」はその名の通り、実際は上がらないにしてもカカトも上げるようにするが、「背屈」ではカカト地面に残して足先を上げようとするということにある。「背屈歩き」は指先に重心をかけたままなので、「上がらないが上げようとする」という点で、足先に離陸をかけた歩きであるといえる。そしてこの背屈のやり方で走ってみると、面白いこと甲野先生の「極短距離走」そのものなのであった。「極 短距離走」では「出した足をいかに早く後ろに引くか」という説明だったが、それは前に置いた足をいかに早く「背屈させるか」ということだったのである。実 際背屈でダッシュしてみると、その足は素早く後ろに引いているような感じがする。もちろん実際には戻さないから前にすすむのであるが、足先で地面を蹴るの ではなく、逆方向に引き上げるという動作が感覚的には足を逆回転させているように感じるために、長い距離の走りを困難にしていると思われる。しかし「背屈を繰り返す」と捉えると、十分に取り組めそうな気がする。それにはまず「背屈歩行」で日常的に歩けるようにすることが早道だろう。また背屈による移動は、当然武術的な意味合いも大きい。背屈で歩くと、その構造は「井桁くずし」となるからである。たとえば「直入身」なども、「背屈歩き」で行うこともできる。動き出しを前に構えた足裏から行う、すなわち「背屈によって起動する」というのは武術的には無意識に行なっていた、あるいは違う説明のし方でやろうとしていたことだと思う。しかし「背屈」という明快な動作から考えることではっきりしてくることがある。やはり骨盤おこしをやっているとおもしろいことが目白押しなのである。

14.「MATAWARI JAPAN 股割りチャレンジ教室」の開催が決定

2009年2月21日、22日に第七回骨盤おこし東京セミナーが行なわれた。骨盤おこしは、基本的に自分の姿勢や動作を改善するものだ。骨盤後傾から前傾に、腰椎主導から股関節主導に動きを切り替えてゆく。もちろんすでにそのように動いている方もいるだろうが、これまでのセミナー参加者ではひとりの例外もなく、問題を抱えていた。それらは自覚されていないものがほとんどだが、セミナーを通じて明かになっていく。そういう意味で、スポーツや武道などをやっていようがいなかろうが、プロだろうがアマチュアであろうが、健康であろうがケガ人や病人だろうが、事、自分自身のからだのポジションに関しては同じである。それにどうも、からだのプロといえる人たちでも、骨盤おこしトレーニングの主張は耳新しいらしく、逆に講師のTakahiroさんの主張が変なのだ、と考えた方がいいくらいマイナーなのだ。ところが実際にセミナーでからだを動かしてみると、これは何かありそうだ、と感じる人が多いようだ。わたしの稽古会で基本動作だけ紹介した人が、後日会ったら毎日のように骨盤おこしの姿勢で仕事をしている、というようなことも少なくない。
最初はたいてい「えー? こんなに? うっそー!」みたいな反応なのに(笑)。ずうっとということはなくても、電車や食事でイスに座ったときなど、ついつい骨盤おこしの姿勢をしてしまう人は多い。このシンプルな動作にはそういう力がある。

「股割り」チャレンジ

さて、七回目(実際には二回ずつセミナーをするので14回)ともなると、かなり骨盤おこしに取り組んでいる人たちも多くなる。そのためだろうか、今回は「股割り」に挑戦する人がいつになく多かった。これは少しずつは増えてきていたが、今回の特徴はいわゆるからだが固くて、開脚が苦手というようなタイプの人の挑戦が増えたということである。ふつう「股割り」と聞くとどういうイメージだろうか。お相撲さんがやっているアレだろう。「太っているのにあんなに足が開いて柔らかい!」とびっくりするやつだ。だからセミナーでも、挑戦するのはもともと開脚前屈をやっていて、もう少しなのにお腹がつかない、胸がつかない、さてどうしたらいいのでしょう、という人たちが多かった。そういう人はわたしたち「からだが硬派な人たち」からみれば、足が開くだけでもういいじゃない、という感じなのであった。しかしくり返しTakahiroさんは、「股割り」は「股裂き」じゃない、筋肉が伸びてもダメ、股関節を使うことだ、と言っていた。そういう話がなんとなく染みてきたのか、大きく開脚きなくてもいいし、膝も曲げていてよい(というかむしろ弛める)となると、自分でも挑戦してみようという「硬派」が現れる。それに勇気づけられて、今回は次々と股割りチャレンジャーが続いた。もうひとつは、Takahiroさんの「股割り」指導がよりきめ細かかったこと。丁寧に手順を踏んで行なうと、骨盤おこしの目指す股割りがわかってくるように思う。その手順を書いたTakahiroさんの文章を引用しよう。

  1. 床に座り上腕二頭筋が正面、腕橈関節から前腕を返す。
  2. 足関節を伸展で指を握り込み骨盤をおこす。
  3. ハムストリングスのテンションをキープして足関節を背屈。
  4. 胸を出し腹圧をキープして真直ぐに押していく。
  5. 床に腹が着いたら更に腹圧をかけて足が抜けるようにする。

(※頭の数字は引用者がつけた)
 2の指は「足指」のこと。さらに伸展した足は小指が床につける。2でも自然に膝は曲がるが、3で足を背屈させるとさらに膝が曲がる。こう説明しても動作のことだから、実際に動きを見、指導を受けないとわからないことが多いだろうが、単なる開脚前屈とは違うことはわかるだろう。実際にやってみると、足はあまり開かなくていいといっても、足の小指が床に着く形が保てる範囲で、できるだけ開いた方がいいようだ。そうすると骨盤をおこしやすくなる。開脚の姿勢で骨盤がおきるということが股割りの前提だが、これがなかなかむずかしい。どうしても腰がおきない場合は、座布団を二つ折りにしたものに尻を乗せ、骨盤前傾をしやすくする(高さは適当に調整する)。
 3から腹圧をかけて上体を股関節から倒してゆくが、ここできつくて足指の握りが解けてしまう、背屈が解けて足先が伸展してしまう、膝が伸びてきてしまう、要するに脚部も胴体と一緒に前方に回ってしまう人が多い。骨盤おこし式股割りのキモは、3のポジションでかかとでしっかり床を押さえて脚を固定することだ。そこで胴体を倒せば必然的に股関節が回ることになる。実際、ここが難しい。ついつい前屈の深さばかりに気を取られるて、股関節に力の入らない前屈になってしまうより、たとえあまり深い前屈でなくても、脚の形と位置をキープすることを守っることが、股割りへの近道の気がする。
 わたしは開脚前屈はおろか、いわゆる柔軟体操は苦手で、この股割りも前屈ともいえない程度しか前にいけないが、それでも足をキープして動こうとした後では、股関節の感覚が違ってきて、基本の骨盤おこしの運動の質が変わってくる気がする。そしてこの方向性を守ってやっていれば、突然腹が、そして胸が床に着くような確信がでてきた。怠け者のわたしがそんな気になるぐらいだから、股割りチャレンジャーが増えるのもわかる気がする。
 というわけで、次回の骨盤おこしセミナーとは別に、Takahiroさんの「MATAWARI JAPAN 股割りチャレンジ教室」の開催が決定。なぜ「MATAWARI JAPAN」かというと、股割りは世界に誇れる日本のトレーニングだからだそうだ。こちらは骨盤おこしセミナーに出たことのある人には割り引きがあるし、今月の第8回骨盤おこしセミナー出席者にはさらに割り引きがある。ぜひ、同時に参加してほしいなあ。

第七回骨盤おこしセミナーの続き

今回はいままでやらなかったことをいくつかやった。ひとつは股関節の旋回。もうひとつは重心移動。

股関節の回旋

骨盤をおこす運動は、股関節側からみると股関節の回転運動。今回は骨盤のニュートラルポジション(骨盤がおきた状態)がわかっている人が増えたということで、股関節の回旋運動を紹介した。正座かイスに腰かけるかして、胴体を左右のどちらかに傾けて、重心を片方の関節に乗せる。その状態で胴体を捻らないで「股関節で」ゆっくりと胴体を回転させる。この様子は写真を参考にしてもらうとわかりやすい。手順は簡単だが、胴体全体をひとつの股関節の部分だけで回転させるのは、意外と難しい。どうしても腰のあたりが捻れてしまう。ゆっくりと着実に動作することが大事。

重心移動

腰幅に足を開いて立ち、手の指を握る。左右どちらかの小指に力をこめて、ギュッと握り込むと、そちら側にからだが傾く。反対側の小指を握り込むと、そちらにからだが傾く。つまり小指を握り込んだ側に重心が移動することを確かめる。これは親指側を握り込んでも起こらない。簡単な動作だが、小指と股関節が連動しているのがわかる。ただこれは、骨盤が後傾していると連動しない。この股関節の回旋と重心の移動については、さわり程度の紹介だったので、今後の展開が楽しみである。

花粉症

これはセミナーのときではなく、Takahiroさんとお茶を飲んでいたときの話し。マスクをしてきた虎哲さんとわたしに「なぜみんなマスクしているんですか?」とTakahiroさん。「花粉症なんですよ」と言うと、「どうして花粉症なんかになるの〜。胸を出して気管をまっすぐにして鼻で呼吸していれば、花粉症にはならないでしょう?」などとおっしゃる。イマイチ納得いかないのだが、それでもその日から意識して胸割をして鼻呼吸をするようにしている。くしゃみとか出始めたら、わざと胸を出して、くしゃみが胸に響くようにしたり……。これはくしゃみの衝撃で、胸がさらに割れて前に出てくるのではないかと思ってのこと(笑)。今年はどうにも、花粉の影響が大きく出てしまったので、胸割の効用は来年に持ち越しだ。

15.「股割りチャレンジ!教室」が無事終了

2009年3月29日の「股割りチャレンジ!教室」が無事終了した。今回はいつもの「骨盤おこしセミナー」の外の特別セミナーだったので、どのくらい参加してくれるのかが心配だったが、30名を超える参加者だった。はじめる前は「股割り」だけで二時間以上持つのだろうか、などと心配していたが、蓋を開けたらあっと言う間だった。「骨盤おこしセミナー」が公開カウンセリングのような形式なのにくらべて、「股割りチャレンジ!」はワークショップ。ともかく実習してゆく。骨盤おこし式の股割りの手順を覚えるだけでも、何度もからだを動かさなければならない。説明を聞いてわかったつもりでも、いざ自分のからだでやってみると手順が飛んだりしてしまう。

第一の難関は、開脚しての骨盤おこし

それができないと、股割りにはいけないのだが、骨盤をおこせる人の方が少ない。正座ではできる人も、長座、あぐら、開脚ではがぜん難しくなるようだ。トレーニングとしては、骨盤がおきなくてもともかく現状でいけるところまで骨盤を前傾方向へもってゆき、股割りの手順に移る。「骨盤おこしトレーニング」は、何より「運動の方向性」を重視する。股割りだとどうしても前屈の角度に気がいってしまい、背を曲げてしまいがちだが、角度はほとんど取れなくても胴体の形を維持して、下腹を床に付けて行く「方向性」があっている方がいいのである。これは足先の構えや膝の角度にも言えて、きちんとした手順でとった股割りのための構えを維持して動くことが大切なのだ。えてして、足先を伸ばしたり、膝の向きを前方に動かして前屈の角度を稼ごうとしてしまうのだが、まず「そうしてしまう自分」を確認することもセミナーの大事な部分だろう。ひとりでやっていたら、けっこう気付かないところかもしれないからだ。

「背伸び」

「骨盤おこし」そのものにも大いに役立つ体操(?)も、ひとつ紹介された。それは「背伸び」。両手を組んで頭の上に伸ばし、グッとからだを伸ばす。
これはいままでのセミナーでは紹介されたことがないものだった。横になっての背伸びがわかりやすい。両手を組んで伸ばしてみると、背中が縮んで胸とお腹の側が伸びるのがわかるだろう。これが骨盤おこしの胴体である。だから正座でも開脚でも骨盤をおこした姿勢で、猫背になっていたら「骨盤おこし」にならないということである。なおかつ横になっての背伸びは、足の向きが大事なのだ。足の甲が上向きで「うーん」と伸びてもダメで、「まだ伸びてない部分がある」とTakahiroさんから言われてしまう。足の甲が外側に向き、足の小指が床に着く。つまり股関節が外旋した形が「背伸び」の完成形だという。足の甲が上向きだと「伸び」じゃなくて縮んでいるということかな?この脚の形は、先ほど書いた第一の難関である開脚しての骨盤おこしのときの脚の形である。もちろん「背伸び」のときはまっすぐ揃っていて、股割りのときは開脚しているわけであるが、股関節を外旋させて足の小指を床に着けるというのが同じなのである。この「横になっての背伸び」は、骨盤おこしのときの胴体の形を知る上ですごく重宝しそうだ。しかし、後でTakahiroさんと話していたら、骨盤が後傾している人だと、「背伸び」で腰が反ってしまうので注意が必要だということだった。やはり「骨盤をおこすこと」なしには始まらないようだ。

16.力こぶは正面 2009年5月8日

骨盤おこしセミナーは毎回々々、バージョンアップする。講師のTakahiroさんが新たに付け加えることもあるし、こちらが改めて気づくこともある。何度参加してもおもしろいのはそのためだ。

力こぶ問題

「力こぶ問題」は今考えたことばで、別に骨盤おこしで言われているわけではないが、要は腕を下げたときに力こぶがどの方向を向いているか、ということ。Takahiroさんが、前へならえの形で両手のひらをあわせる姿勢をとらせる。「みなさんの力こぶはどちらを向いていますか」全員が内側向きになっている。骨盤おこしの考える骨のポジションからすると、力こぶは真上を向いていなくてはならないという。そう言われればそうだ。腕を下げたときに力こぶが正面を向くポジションに、肩、肩甲骨を納めるのが骨盤おこしである。その腕をそのまま前へならえしていけば、力こぶは天井方向を向く。もちろんセミナーでは説明なしに、もともと力こぶが内側に向いている人たちに前へならえをさせたわけだから、天井を向かないのは当然。でも腕のポジションについてのこういう入り方は、参加者に軽いショックと腕への関心を持たせる。腕のポジションについてはけっこう考えていたと思っていたわたしも、バッチリ内側を向いていてショック(笑)。けっきょく意識しないとできないということで、骨盤をおこした姿勢からしてそうたやすく身に付くわけじゃないってことですね。

腕の操作法

さて、セミナーでは腕の操作法を行なう。まず、手のひらを上に向けて腕を肩の高さで左右に広げる。こうすると力こぶも上を向く。そこから手のひらを柔らかく下向きに返す。つまり前腕を肘の腕橈関節(わんとうかんせつ)から返すのだが、肘関節を意識すると上腕(力こぶ)も動いてしまうので手のひらを返すようにするといいようだ。これで手のひらは下を向き、力こぶは上を向いた形になる。そのまま腕を体側に下ろしていけば、力こぶが前を向いた状態になる。ここから丁寧に両腕を前へならえの形にしていくと、手のひらは向き合い、力こぶは天井を向いているだろう。と言っても、これはうまくこのコースが辿れれば、ということで、骨盤が後傾して猫背のままだと難しい。またうまく前へならえの姿勢まではいけても、ここから手のひらを合わせてもなお力こぶが天井を向いたままというのは難しい。無理矢理肩を絞って上に向かせることはできるが、力を抜くと内向きになってしまう。よほど肩と肩甲骨が下りていないとできない。肩と肩甲骨が下りるということは、胸椎がぐっと前に出る「胸割り」ができないと、これもまた難しいことは骨盤おこしをやっている人ならわかるだろう。部分の修正だけで済むほど、人のからだは甘くないということだ。

「股割り」2009年5月12日

骨盤おこし式「股割り」の手順で、まずは足を背屈して足指を握り、そこから足首を伸ばしていって(足指は握ったまま)、小指を床につけるというのがある。「股割り」のときはある程度両脚は開脚しているわけだが、第九回骨盤おこしセミナーのときに足を前に伸ばしてこれを行なった。これは「股割りチャレンジ!」教室に書いた、伸びのときの足のことだ。赤ちゃんのような足の形である。背屈で足指を握ると自然に膝が曲がるが、伸展させて小指を床につけようとすると、さらに膝が曲がる。この膝は曲げたままでよい。そして小指を床につけるのだから、足の甲も膝も外側を向く。そこで足首の背屈・底屈(伸展)を繰り返す体操だ。上体は起こしていても、寝ていてもどちらでもいい。足指を握ることそのものが不得意な人もいるが、それは一所懸命握る練習をしてもらうとして、足首を背屈して足指を握るところは、まあまあできる人も、伸展させると指が伸びてしまいそうになるだろう。それでも頑張って握っていると、今度はつりそうになる。つりそうになっても、何度も背屈・伸展をやっていると、ほどなくつらなくなってくる。伸展で足の小指を床につけるというのは、股関節の外旋運動なので、この運動をやってから歩いてみると、歩きやすくなっている。小指を床につけると股関節に力がこもるので、股関節そのものの強化にもなりそうである。小指を床につけたとき、さらに小指を床に押しつけるようにする。これは小指でからだを持ち上げるぐらいのつもりで、ギューっと押しつける。そうするともっと股関節に利いてくる。が、すごく疲れる。わたしは眠る前に布団のなかで、これを10回ほどやっている。やっているとくせになる。上体を起こしてこの脚の形にして、前後の骨盤おこし運動をするのも良い。「股割り」をする前の準備運動と同じだが、開脚ではなく前に足を伸ばして行なうわけである。長座で骨盤をおこすのは、胡座ほどではないがそれでも難しい。それを背中を丸め骨盤をうんと後傾させたところから伸びあがり、腹、胸を前に出すように前屈する方向に胴体を動かす。重要なのは「その方向に動く」ということなので、ちっとも前屈できないからといってがっかりすることはないのである。このときもちろん足首を伸展させて握った足指をしっかり床につけるのを忘れてはならない。これを何回かやって立ち上がり、歩いてみると、股関節が生まれ変わったように「新しい感じ」になっていると思う。この「足首のばしニギニギ骨盤おこし」は、「股割り」に直につながって行きそうなので、まずはじっくりと取り組んで行こうと思っている。

2009年5月15日

考えてみたら、いま持っている携帯は8メガカメラが搭載されていたのだ。ちっとも活用していなかった。というわけで昨日の恵比寿の稽古会の前に足指を握って背屈・底屈する運動を写真で撮ってみた。

1)リラックスした長座で足を投げ出す
2)足指を握る
3)底屈(伸展)して小指側を床に着ける
 (うーむ。足指を握ったまま底屈させるのは難しいね)
4)そのまま背屈!
5)で、また底屈
あとは、4と5を繰り返すわけ。

足指は握ったままなんだけど、底屈させると指が伸びてきてしまう。これがTakahiroさんのように握ったままできるようになるのが目標。これを真似すると、多くの人は底屈で指がつる。わたしもつった。でも何度も繰り返していると、Takahiroさんが言った通り、つらなくなってくるから、我慢してやるのだ。で、ある程度慣れたら小指を床に着けたとき、出来る限りの力で小指で床を押す!すごく疲れるが、でも押す! こうすると小指と股関節が繋がって来る。

17.ゆっくり走り 2009年5月30日、31日

2009年5月30日、31日の骨盤おこしセミナーの話。(遅くてすみません。)えにし先生が愛知で「スポーツ股関節動作セミナー」を企画して、それを知った東京セミナー参加者から「東京でもやって!」との声が上がったらしい。そのため二回あるセミナーのどちらかをスポーツ系に、という案も出たのだが、参加者をスポーツ関係者に限定してしまうのも恒例のセミナーとしてはそぐわないということで、いつものセミナーの中に、そのメニューを入れてもらうことにした。考えてみたら、これまでも個々の課題にえにし先生が動作の仕方を提案してきているので、スポーツをしている人への指導のときに、骨盤おこし式の走り方やステップをやればいいわけだ。そういえばすでに「スリッパで走る」とか「ジャンプして膝をいためない着地」とか、アウトエッジを利かせたターンとかやっているしね。いずれにしても股関節トレーンングなわけで、骨盤おこしセミナーに興味を持つ人ならおもしろいに違いないのだし。

骨盤おこし式LSD(ロング・スロー・ディスタンス)

ということで、今回セミナーのメニューにいくつか「骨盤おこしfor スポーツ」系のメニューがあったのだが、予想外(←失礼ですね)におもしろかったのが、骨盤おこし式LSD。LSDは「ロング・スロー・ディスタンス」の頭文字で、用は「すごくゆっくり長い距離を走れ」ってことだと思うのだが、これをスポーツする人だけでなく参加者のほとんどでやってみた。
注意点は、

・足は股関節幅に開く
・足先は自然に外を向く(逆ハの字)
・腕は力こぶを前に向ける
・手のひらを上にむけて肘を折る(これは自然に手のひらを内に向けてもいいみたいだ)

そして、

・歩くよりもゆっくり走る
・ゆっくりでも走るリズム感をなくさないこと

走るリズム

特に大事だがむずかしいのが、走るリズムをなくさないということだ。走るリズムでやっていると、だんだん歩くより早くなってしまう。そこで「ゆっくり」に注意を向けると、こんどはただゆっくり歩いている動作になってしまう。ともかく「すご〜くゆっくり走っている」という感じがなくてはならないらしい。理由はおそらく単純で、「早く走れるようになるためのトレーニング」だからだろう。えにし先生は「早く走れるようになるためには、ゆっくり走れないといけない」とおっしゃる。だからもしゆっくり歩いていたら、それは早く歩くためのトレーニングになってしまうということじゃないかと思うのだ。だから「ゆっくり走って」いなくてはいけないということ。しかしすごくゆっくりなので、足ばかり動かして上体がお留守になってしまいやすいみたいだ。「もっと柔らかく肩甲骨と腕を使って」とえにし先生に注意される。この日も数名武術(流儀はいろいろだが)を学んでいる人がいて、そういう人ほど上体が動かないらしい。確かに動かさない稽古をしているから、普通の人より固まって見えるのだろう。ともかくリズムに乗って上体も腕も柔らかく動かして、一歩々々これも柔らかい接地をしながら走ること5分ぐらい。本当は30分は走りたいとのことだが、時間の関係上5分。しかし5分でもかなり長く感じると思う。ところが実際、リズムや腕の振りやいろいろなことに注意しながらやっていると、単調に思える運動がけっこう楽しいし集中できる。そして走り終わって歩きに切り替えたとたん、足の動きに変化が!なんだか妙に軽いのだ。足が勝手に前に進む感じ。骨盤おこし式LSD(LSD一般なのかもしれないが)は、股関節にすごく効くようだ。なるほど股関節トレーニングなわけである。

ガッテン!

この話題について書くのが遅くなっている間に、NHKテレビの「ためしてガッテン」で、「脳いきいきダイエット 超らくジョギング革命!」というをやったそうだ。わたしは見ていないのだが、自分の稽古会で骨盤おこし式LSDを紹介したら教えてくれた人がいた。ガッテンの解説は気にいらないことが多いので、「同じ」と言われても素直にうなずけない(笑)。そうしたら、なんと本日午後4時05分〜4時50分「脳いきいきダイエット 超らくジョギング革命!」が再放送なんだとさ。あと30分ほどだ。この日記を読めて、しかもテレビを見られる環境にある方、本放送を見逃していたら、ぜひご覧ください。ためしてガッテンの「脳いきいきダイエット 超らくジョギング革命!」の再放送を見た。番組内容は、「過去の放送」サイトで知ることができる。ここて番組内容をまとめたもの(pdfファイル)をダウンロードできる。もともとは骨盤おこし式「すごくゆっくり走り」を紹介したら、ガッテンでやっていた、と教えてもらい、再放送があるかどうかを調べたのだった。番組ではこれを「スロージョギング」と紹介していた。ジョギングというのはもともとゆっくり走ることだ。会話ができるぐらいの速さである。平均的には時速10キロぐらいらしい。スロージョギングは歩く速さ。時速4〜5キロ以下ということで、「スロー」ジョギングなのだろう。LSD(ロング・スロー・ディスタンス)とどこが違うかというと、LSDは早歩きから走りに移るぐらいの速度(歩く速さの倍ぐらい)というふうに書いている記事もあったので、スロージョギングと命名しているのかもしれない。しかしLSDも歩く速度より遅くやっている人たちもいる。というよりわたしはそうれがLSDだと思っていた。その歩くより遅い「スロージョギング」の特徴を番組では次のように言っていた。「遅筋で走るから乳酸がほとんど増えない」(長く走ることができる)
「ウォーキングより消費エネルギーが多い」(1.6倍)「いつの間にかより長く、速く走れるようになる」(筋肉内の毛細血管が増える)「脳がイキイキする」(前頭前野の活動が活発化)最後の脳については、スロージョギング実践者が「悩みがなくなった」「怒らなくなった」などの気分の変化をあげていることに対する、こじつけみたいな気がする。根拠にしたアメリカや日本の研究はジョギングを対象としたもののようで、「これまで普通のジョギングとの差を強調しておきながら、ここはジョギングかい!」とツッコミを入れたくなる(笑)。「毛細血管が増えることもわかりました」って言うが、有酸素運動を持続的にすれば毛細血管が増えるわけで、間違ってはいないけど「スロージョギングだから」みたいに思い込むのはよくない。もちろん「脳」も「毛細血管」もスロージョギングでも効果がある(あるいは「スロージョギングでは、より効果がある」か?)ということだろう。ということでスロージョギングの一番の特徴は「遅筋で走る」という点になるのではないか。でも「遅筋で走る」というと「マフェトン理論」が思い浮かぶ。「マフェトン理論」については詳しい人が何人もマイミクにいるので書かないけど、なんだか「180ー年齢」の心拍数を守ることで遅筋を使うらしい。おお面倒くさそう(笑)。

なんて考えていると、この「スロージョギング」の提案の良さがわかる。
1)とっかかりのハードルが低い
2)辛くないので長続きしやすい
3)部屋の中でもできる
4)意外と自分もやれることに気づく

アスリートはそれなりの覚悟で臨むわけだが、一般人でしかも怠け者はとっかかりが簡単なのが一番。あとはなんでも持続すれば結果がでる。怠け者は続かないんだよね(笑)だから続けやすければ結果がでるので、怠け者もその気になってくる。でも本当の怠け者なら、まず最初からやらないだろうけど、そこまでは面倒見切れないよね。骨盤おこし式「すごくゆっくり走り」との比較を書こうと思っていたのに、悪い癖ですでに長文(笑)。ここで一休みして、続きは別の日記で。【ゆっくり走るーー骨盤おこし式とガッテン流】ためしてガッテンの「脳いきいきダイエット 超らくジョギング革命!」の再放送を見て、骨盤おこし式「すごくゆっくり走り」と同じなのは、歩くよりゆっくり走るということぐらい。

フォームの違い

フォームがあきらかに違う。これはえにし先生のやり方が「骨盤おこしトレーニングの一環としての走り方」であるからだ。スロージョギングでは「足はけらずに押すだけ 」というが、やや前傾でかかとを上げるようにという指導であった。つまり「押す」といっても地面を下に押すのではなく、後方に押すことでからだを前に押し出すということなのかもしれない。丁寧に指導を受ければ違うのかもしれないが、番組の司会者立川志の輔がひとりヘトヘトになってしまい「ジャンプしすぎ」と注意を受けていたのをみても、前傾姿勢で後ろにある足のかかとを上げれば、どうしても地面を蹴ってしまう人がいるだろう。骨盤おこし式では(当然)足の背屈を維持して、かかとから足の親指から小指までをしっかり地面におく、フラット着地である。前の足がフラット着地したら、後ろにある足は抜き上げて前に運ぶので床を押すことも蹴ることもしない。その他のフォームも骨盤おこしの考えに沿ったもので、腕は力こぶを前に向け、胸を前に出し、手のひらは力を抜いて上を向く。足幅は股関節幅に開き、足先は逆ハの字で外向き、膝は軽くアソビがあるようにゆるめる。足指は軽く握るようにして、土踏まず側に体重が乗らないようにする(土踏まずを踏まない)。重心はMP関節から指先にかけての部分にかかるようにするが、かかとは上げない。このようにして柔らかくフラット着地すると、からだは自然に前に押し出されるので、後ろ側の足を前に運びフラット着地。これを繰り返す。もちろん骨盤は「おこす方向に」傾けて走る。ともかく腕も肩甲骨もリラックスし、走りのリズムをなくさないこと。しかも歩くより速くならないように気をつける。

目的の違い

これらのフォームがこのゆっくり走りを「股関節トレーニング」にしていることは、走り終わって歩いてみると感じられるだろう。つまりガテン流と骨盤おこし式では目的に違いがある、ということである。ガテン流は今ある身体のままでの、健康のためによりよい走りの提案であり、骨盤おこし式は「骨盤おこし実践者のための」走りの提案である。フォームの違いは目的の違いからくるものだといえる。骨盤おこし実践者としては、スロージョギングの効果はすべてあると思えるし、当然すべての人に骨盤おこし式の「すごくゆっくり走り」を勧めたいわけだ(笑)。しかし、わたしとしてはなるべく体験できる場を用意するだけに止めたい。誰かが勧めるに流されてやってみたり、まして強制されても害があるばかりだからだ。

18.第11回の骨盤おこしセミナー 2009年7月9日

遅ればせながら第11回の骨盤おこしセミナーのことを「ポメラ」で(笑)。骨盤おこしで最初の課題であり、そしていつまでも難題であり続けるのが、「股関節から動く」ということである。股関節からの前屈するためには「骨盤おこし式立位体前屈」がやはり有効のようだ。特に「逆式立位体前屈(仮称)」は股関節からの前屈を理解するのに大変よい。まずしっかり腰を落としてしゃがむ。両手を前方の床に付け、逆立ちをするように両手に体重を乗せてゆく。両手に体重が乗れば足とおしりは軽くなるから上げやすくなる。おしりは天井に向かって突き出すように持ち上げる。(座骨結節が上を向くようにする)膝は曲がっていてよい。これが立位体前屈を逆回転で行なう「逆式(仮)」である。ここでおしりを上げるのがキツイと感じたら、手の位置をもう少し前に付いてみるとよい。ここでしゃがんだり、おしりを持ち上げたりを繰り返してみる。それから、立位になって「骨盤おこし式立位体前屈」を行なってみると、最初より楽に床に手が付く。ここで少しだけ「骨盤おこし式立位体前屈」を説明すると、おしりを後方に引かない、膝裏を伸ばさないことが大事。おしりを後方に引かないということは、壁におしりを付けて立ち、そこから前屈するようなもので、前方の床に倒れ込んでいくしかないのである。両手を床に付いて、倒れるからだの重さをしっかりと受け止める。どのぐらいしっかりかというと、そのまま両手に体重を乗せて逆立ちができるぐらいしっかりと、である(わたしは逆立ちできないけど)。まあ、そのぐらいグイッと両手に体重を乗せていくんである。そうすると、学校でやったような台の上で手の指先がどこまで届くか、「エイッ、エイッ」って感じで膝裏ピンピンに伸ばして折り曲げるのが苦手な人でも、前屈ができる。えにし先生曰く「『前屈』なのにうしろにおしりを引いてどうするの?」である。股関節から前にたたんでいくのが「立位体前屈」というわけである。

骨盤おこし式LSD

骨盤おこし式LSDは走り終わったあと、からだがゆるむのが大切である。ただ本来ジョギングでもウオーキングでも、運動後にからだがゆるんでなくてはならないのだそうだ。特に骨盤おこし式LSDでは、股関節がゆるむ。終わったあとで前屈がしやすくなっていたりする。えにし先生曰く「間寛平の走り方がいい」そうな。YouTubeにアップされているアースマラソンの動画を見ると、なんとなくわかる気がする。アヘアヘ走ればいいのかな?

インナーマッスル

セミナー参加者からインナーマッスルの話題が出たとき、「インナーマッスルは鍛えたらだめ」だとも言っていた。しかも細かく分けずに全体として使う。腹圧をかけて股割りをする。これがインナーマッスルを使うことにもなる。それらがきちんと働ける「姿勢、ポジション」をとれるようになることが大切だというのが骨盤おこしの発想で、筋肉を鍛えるというのとは根本的に違う。「もう筋肉は十分にあるんですよ」と、以前えにし先生が言ったことばを思い出した。

ケイタイ運動?

骨盤おこしの基本は胴体をまとめて股関節から折る「前後運動」えにしさん曰く「ケイタイ運動」。何かと思ったら「携帯運動」。携帯電話みたいに二つ折りになるということ。まあスライドするのもあるけど、ここはふたつ折りということで(笑)。

膝抜き

ジャンプして柔らかく静かに着地。足指を軽く握って、指の腹で地面をキャッチする。つまり足指の関節もきちんと使って着地すること。足指をベロンと伸ばしたままだと、土踏まずのアーチに大きな負担がかかってしまう。足指の関節も含めて足裏のアーチとするのが、骨盤おこし式である。次はジャンプしてしゃがみ込む。このときも柔らかく着地して、音を立てないようにする。この「ジャンプ」の過程を省いて、いきなりしゃがみ込む動作をすると「膝抜き」となる。

自重を使う

「膝抜き」は自重を使うトレーニングにもなる。自重を使えるようになると、いきなり動作を始めることができるし、方向転換などもスムーズになる。何より筋肉の「伸張反射」を使うトリガーになるのが「自重」である(らしい)。この「伸張反射」というのが、とても重要なのだが、実はわたしはよくわかっていない。

余談──縁Tシャツ

ところで、「縁Tシャツ」というのがある。胸の「縁」マークは「胸割り運動」がしやすくなるパワーがあると噂されている(笑)。前回、この縁Tシャツ購入希望者が数名いた。この日記を読んでいる方で、もし購入希望者がいたらコメントください。ちなみに一枚3000円。

 

 

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[書籍]女性のための「骨盤おこし」―骨格美メソッド(春秋社)
[書籍]「骨盤おこし」で身体が目覚める 1日3分、驚異の「割り」メソッド(春秋社)
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