骨盤が後に傾いて恥骨感覚が鈍くなっている

構造動作トレーニングでは、「基本的立位肢位+股関節幅+中間重心」の立位肢位を基準にしている。それは、座位においても重心位置の基準は変わらない。しかし、「中間重心」にセットするための骨盤ポジションに苦労される方が多い。

深部感覚
▲日本人体解剖学第一巻(南山堂)著 金子丑之助

ポジションは、特殊な形状をした骨盤がもっとも骨の強度を発揮する位置ということになる。以前、金子丑之助先生の解剖学書にあった寛骨の側面図から骨盤の基底面を安定させることに気づいた。

深部感覚
▲日本人体解剖学第一巻(南山堂)著 金子丑之助

リハビリの基準が、骨盤の傾斜角度が約60度なので多くの方が「こんなに前ですか?」とビックリされるが、強度の違いを実感されると納得される方が多いようだ。

座位において坐骨結節の2点で体幹を支えるのは不安定だ。実際、股関節の可動性が悪く、腰部に過度の負荷をかけつづけ
トラブルが起こりやすい。

それよりも恥骨・坐骨で広い基底面で体幹を支えた方が安定する。なおかつ、股関節の可動域を拡大するためには必須のポジションだ。その目安として恥骨を座面に接触して座る方法をお伝えするのだが、坐骨結節の2点で座る習慣が長いのか?恥骨の感覚が鈍くなっている方が多い。これでは、せっかくの骨指標がリハビリ・トレーニングにいかせない。

恥骨の感覚低下はほんの一例にしかすぎない。実際には多くの感覚が薄れ、重心位置感覚のズレさえも気づかない。これは、股関節の可動を制限するばかりか、様々のトラブルの原因へと発展しています。

リハビリ・トレーニングの方法としてはポジションのセッティング、深部感覚の入力、骨格筋の回復(筋力、筋組織)、基本動作の構築、をバランスよく進めていくことが大切です。

 

 

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